洋服好きが、自分の「好き」を仕立てる。KUNISHIMA TWILL “CHAMBRAY”

洋服好きが、自分の「好き」を仕立てる。KUNISHIMA TWILL “CHAMBRAY”

KUNISHIMA TWILL “CHAMBRAY”

洋服好きが、自分の「好き」を仕立てる。

一見すると、ベーシックなチャコールグレー。

けれど、光が差し込んだ瞬間に、生地の表情がふっと変わる。

今回仕立てたのは、KUNISHIMA TWILL “CHAMBRAY”を使った、

挙式のハレの場に向けた自身とパートナーを表現する一着。

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経糸と緯糸で異なる色を組み合わせることで、単色のグレーにはない奥行きが生まれる。
角度によってわずかに色が揺れて見える、その表情はどこかヴィンテージのスーツを思わせます。

派手な生地ではありません。

むしろ、一見するととても静か。

だからこそ、シルエットやディテールに目がいく。

そして今回、このスーツを特別なものにしているのは、お客様の洋服遍歴を活かしたデザインでした。

 



「好きなトラウザー」を、スーツにする

今回オーダーいただいたお客様は、長く洋服を楽しまれている方。

すでにお持ちだったヴィンテージトラウザーズ。

そのシルエットがとても気に入っていて、

「このトラウザーの雰囲気を、スーツにできないか」

そんなところから今回の一着は始まりました。

オーダーというと、

生地を選び、サイズを合わせ、襟やポケットを決めていく。

そんなイメージが一般的かもしれません。

でも、本当の意味で面白いオーダーは、もう少し自由です。

自分が好きで着てきた服。

古着屋で見つけた一本。

何年経っても手放せないジャケット。

そういう「自分のワードローブにある記憶」を、新しい服へ持ってくることができる。

今回のトラウザーズは、まさにそれでした。

 



ジャケットは、クラシックを崩さない

ヴィンテージトラウザーズをベースにしたからといって、ジャケットまで極端にデフォルメする必要はありません。

むしろ、ここでは正統派のテーラリングに寄せています。

低めに設定したゴージ。

そこから自然につながる、やや広めのラペル。

ゆったりとした身幅を持たせながら、ウエストは高めの位置でシェイプ。

肩から胸、そしてウエストへと流れるラインをつくることで、リラックスした分量の中にも、テーラードジャケットらしい緊張感を残しています。

ポケットはハッキングポケット

斜めに入るラインが、クラシックなジャケットに少しだけスポーティーなニュアンスを加えます。

着丈も極端に短くせず、あくまで正統派。

流行のシルエットをそのまま当てはめるのではなく、

「このトラウザーなら、上はどうあるべきか」

という逆算からバランスを取っています。

 



主役は、やっぱりトラウザーズ

このスーツで一番目を引くのは、やはりパンツです。

ノータック。

それでも、渡りにはしっかりとした分量を取っています。

腰まわりから太く、そこから裾へ向かって無理にテーパードさせない。

ストンと落ちるライン。

この「裾まで残したボリューム」が、今回のスーツに独特のエレガンスを与えています。

ワイドパンツという言葉だけでは少し違う。

大きく見せるためのワイドではなく、身体から離れた生地がつくる縦のライン

歩いたときにパンツが揺れ、立ち止まると静かに落ち着く。

その動きまで含めて美しいシルエットです。

そしてウエストには、ベルトループを設けないベルトレス仕様のアジャスター

腰まわりをすっきりと見せながら、クラシックトラウザーズらしい佇まいに仕上げています。

 



ヴィンテージを「再現」するのではなく

面白いのは、ヴィンテージを参考にしながら、ヴィンテージそのものを再現しているわけではないこと。

古い服には、その時代の生活や身体、価値観があります。

それをそのまま現代に持ってくるのではなく、

「なぜ、この形が好きなのか」

「どこに美しさを感じているのか」

そこだけを取り出して、今の身体と生活に合わせて仕立て直す。

今回のオーダーも、そんな考え方に近いものがあります。



CHAMBRAYがつくる、静かな奥行き

そして、このシルエットを受け止めているのがKUNISHIMAの生地。

TWILL “CHAMBRAY”

チャコールグレーという色だけを見ると、とてもオーソドックスです。

ところが、光が当たると経糸と緯糸の色差によって、わずかな陰影が現れる。

ジャケットの胸まわりや袖。

トラウザーズのクリースから裾へ流れる部分。

身体の動きによって光の入り方が変わり、生地の奥から別の色が覗く。

この「近づいて初めて分かる表情」がいい。

遠くから見ると端正なチャコール。

近くで見ると、織りによる複雑な表情。

正統派でありながら、少しだけクセがある。

今回のお客様のスタイルにも、よく似ています。

 



洋服好きだからこそ、少しだけ普通ではないスーツを

スーツは、もともと自由な服ではありません。

ラペルの幅。

ゴージの高さ。

ジャケットの着丈。

パンツの太さ。

長い時間の中で積み重ねられてきた「美しいバランス」があります。

だからこそ、そのルールを知ったうえで少しだけ外してみる。

今回のスーツは、

低いゴージ。
広めのラペル。
ゆったりしたジャケット。
しっかりと太いノータックトラウザーズ。
ベルトレスのアジャスター。

一つひとつを見るとクラシック。

でも、全部を組み合わせると、今の空気を感じる。

その絶妙なところに、オーダーの面白さがあります。

 



「自分の好きな服」が、次の一着になる

既製服を選ぶ楽しさとは別に、オーダーにはもう一つの楽しさがあります。

それは、自分がこれまで好きだった服を、新しい一着へつなげていくこと。

昔買ったヴィンテージ。

何度も穿いたパンツ。

ずっと好きだったシルエット。

そうしたものを持ってきていただければ、それをヒントにしながら、今の自分に合う形へ仕立てることができます。

今回のスーツも、そんな一着でした。

「流行っているから、この形。」

ではなく、

「この形が好きだから。」

その理由がある服は、きっと長くクローゼットに残ります。



KUNISHIMA TWILL “CHAMBRAY”

A classic suit, made personal.

正統派の中に、自分だけの少しの違和感を。

洋服を長く楽しんできた人だからこそ似合う、
そんなスーツに仕上がりました。

apartirでは、生地やディテールを選ぶだけでなく、お客様がこれまで着てきた服や、好きなヴィンテージのシルエットをもとにしたオーダーもご提案しています。

名古屋・納屋橋のORDER & SELECT SHOP apartir
「普通のスーツでは少し物足りない」という方にも、ぜひ一度ご相談いただきたい一着です。

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