LENO DENIM NO.3
LENOのDENIM第三弾。
BUCKLE BUCK TROUSERS。
フランスでは、パリ・ファッションウィークが開催され新たな洋服に心おどる最近です。
7月には、主要取引先の展示会が開催されるので、来年の春夏買付が始まります。
新たなデザインに取り組むブランド、同じものをブラッシュアップしていくブランド様々でファッションを楽しむ一つです。
半期ごとに現れるこの衝動は欠かせない躍動感を持っていますが、
その中で自分にフィットするものは限られていて、それが厳選されて店頭に並ぶことで価値を高めていく一つです。
常に新しいことが価値、そんなことはないと自分のワードローブが語っているのですが、この衝動を満足させるためには欠かせない要素ではあります。
一方で、半期ごとに繰り返されるものの価値を下げてしまうプロモーションについては、ものづくり側からの観点でいくとなんとも悲しいサイクルになっているのかと。
まだ、夏の始まりに過ぎないこのタイミングでのプライス訴求の戦いはどういう価値観でその服を販売しているのか疑いが止みません。
価値のない戦いの最前線を進んできていた自分にも言い聞かせています。
前置きはそろそろこの辺で。
当店でお取り扱いさせていただいているLENOのデニムのご紹介は今回で第三弾となります。
"BACKLE BUCK TROUSER"
その名が指し示す、バックスタイルに特徴を持つトラウザー。
フランス国鉄であるSNCF(Société Nationale des Chemins de fer Français)が、1940〜1950年代に使用していたワークウェアがベースとなっています。
ヴィンテージの市場では、ディテールがヨーロッパワークを形取っていることで価値の高いアイテムとなっており、状態の良いものでサイズの合うアイテムはほとんど見つからないのでは。
自身もワークウェアは、ワードローブに欠かせない要素で、アメリカやフランス、イギリスのアイテムを収集していました。
SNCFのトラウザーは、実際はダック生地と呼ばれるコットン素材で知りうるものでブラウンのものです。
鉄道員の様々な体系に合うようバックルが仕立てられ、サスペンダーで釣ることのできるボタンが配されています。
その上、ベルトループが付いているというところがワークパンツらしい。
現代の効率化されたワークパンツではどのどれか一つがあるかといったところですので、当時の手の込んだディテールは感嘆します。
LENOが忠実にこのディテールを誂えてデニムに生地を置き換えたプロダクトは他に見れないです。
日本製のデニムの意匠は世界的にも評価されているところですが、各パーツの縫製にもLENOらしいこだわりが見られます。
各パーツの縫製。
ヒップ周りがチェーンステッチ、それ以外は巻き縫い。
これによって過度なパッカリングが出ない。
ただ、強度が落ちる分をダブルステッチにしてというところまで気を抜かない。
これによって長年は着込んでも形の崩れが少なく良い雰囲気に仕上がるでしょう。
バックル部の返し縫いの長さがテンションのかかる部分で変えてあるところなんかはすごいです。
生地は、米綿を中心としたムラ糸を力織機で織り上げた白耳のセルビッチデニム。
糸に過度なテンションをかけずにゆっくりと織り上げて、表面に凹凸感があるヴィンテージのような風合いになっています。
12ozですので履き始めから軽めで非常に履きやすいのです。
大きめサイズをウェストをギュッと絞って履いていただくことができますので、ユニセックスでご利用いただけます。
展示会の際、メンズとして展開されていたモデルでしたが、ウィメンズのバイヤーからの反応が非常に良くウィメンズ対応のサイズ展開が追加された経緯もあります。
当店でも0のサイズより展開しております。
ウェストのごく細い方には、持ち出しの部分をサスペンダー側のボタンまで止めてしまうのも良いです。
この時期は、Tシャツかポロシャツに合わせても良いですし、
バスクシャツなんかは合わせると爽やかな印象です。
デッキクルーのイメージですかね。
少し先のシーズンにはBIG TRUCKER JACKETとデニムセットアップで着こなすのも良いと待ち遠しいです。