duca VISCONTI di MODRONE × àpartir SIGNATURE.1 TROUSERS

秋冬になると穿きたくなる素材のひとつ、コーデュロイ。
畝の陰影、起毛した表面の柔らかさ、そして光によって変化する色の見え方。
デニムほどカジュアルではなく、ウールのスラックスほどドレスに寄りすぎない。
そのちょうど間にあるような素材感が、コーデュロイの面白さだと思います。
今回、apartirのSIGNATURE.1 TROUSERSに選んだのは、イタリアの老舗テキスタイルメーカー、duca VISCONTI di MODRONE(ドゥカ・ヴィスコンティ・ディ・モドローネ)のコーデュロイ。
クラシックな素材を、クラシックなままではなく。
今のワードローブに自然に馴染むトラウザーとして仕立てています。
duca VISCONTI di MODRONEとは
duca VISCONTI di MODRONEの歴史は、イタリア・ミラノ近郊の**Vaprio d'Adda(ヴァプリオ・ダッダ)**に遡ります。
1838年、Carlo Sioli、Agostino Dell'Acqua、Giuseppe Archintoによって、この地に綿工場が設立されました。
その後、1865年に工場を取得したのが、ミラノの名家Visconti di Modrone家のRaimondo Visconti di Modrone。
以降、この地を拠点とする繊維産業が発展していきます。
1903年には、Vaprio d'Addaの工場に加え、San Vittore Olonaの織物工場、Somma Lombardoの漂白工場などを統合し、Stabilimenti Visconti di Modroneへと発展。
現在につながる企業の歴史には、19世紀から続くイタリア・ロンバルディア地方の綿織物産業が背景にあります。
つまりduca VISCONTIの魅力は、単に「イタリア製の生地」ということだけではありません。
長い時間をかけて培われてきた、イタリアのテキスタイル産業そのものの背景がある。
そこも、この生地を選ぶ理由のひとつです。

コーデュロイの魅力は「畝」にある
コーデュロイと聞いて、まず目に入るのが表面に並んだ畝。
この畝が光を拾うことで、パンツに独特の陰影が生まれます。
同じブラウンでも、光が当たれば柔らかく明るく見え、影に入ればぐっと深い色に見える。
平面的な生地とは違い、穿いて動くことで表情が変わる素材です。
今回のブラウンも、単純な茶色ではありません。
起毛した表面と畝によって、少しずつ濃淡が変わる。
そのため、スタイリングをシンプルにしてもパンツ自体に存在感があります。

àpartir SIGNATURE.1 TROUSERS
この生地を使って仕立てたのが、SIGNATURE.1 TROUSERS。
デザインのベースにしたのは、クラシックなトラウザーです。
2インタック
腰回りには2本のインタック。
タックによって生地の分量を確保し、腰から腿にかけて立体的なフォルムをつくっています。
単純に大きなパンツにするのではなく、身体と生地の間に適度な余白をつくる。
それがSIGNATURE.1のシルエットのポイントです。

深めの股上
股上は深めに設定。
腰位置を安定させながら、シャツをタックインしたときにも自然に収まるバランスにしています。
クラシックなトラウザーのディテールですが、ワイドストレートのシルエットと組み合わせることで、現在のスタイリングにも取り入れやすくしています。
ベルトループ仕様
ベルトループを備え、日常のスタイリングにも使いやすく。
ドレスパンツのような構築性を残しながら、合わせるトップスを選ばない一本です。
「ワイド」ではなく、「余白」
SIGNATURE.1のシルエットを説明するとき、単純に「ワイドパンツ」と呼ぶだけでは少し違う気がします。
腰回りには2インタックによる立体感。
そこから腿、膝、裾へと自然につながるワイドストレート。
重要なのは、ただ太いのではなく、身体のまわりに余白があること。
コーデュロイの柔らかな落ち感も、その余白をきれいに見せてくれます。
ジャケットを合わせたときにはクラシックに。
ニットやスウェットなら、少し力の抜けたスタイルに。
シャツをタックインすれば、トラウザー本来の立体的なシルエットが際立ちます。

古い素材を、古く見せない
コーデュロイは決して新しい素材ではありません。
ワークウェアやヴィンテージウェアにも使われてきた、長い歴史を持つ素材です。
だからこそ、現代の服として取り入れるときには、素材以外の部分が重要になります。
今回の場合、それがシルエット。
duca VISCONTIのクラシックなコーデュロイ × 2インタック × 深い股上 × ワイドストレート。
素材はクラシック。
でも、全体のバランスは今の服として。
この組み合わせによって、コーデュロイ特有の懐かしさを残しながら、古着とはまた違った見え方に仕上げています。

秋冬のスタイリングに
ブラウンのコーデュロイは、思っている以上に合わせる色を選びません。
白やサックスブルーのシャツなら、素材の表情を引き立てるシンプルなスタイル。
ネイビーのジャケットなら、ブラウンとネイビーのクラシックな色合わせ。
チャコールグレーのニットなら、落ち着いた秋冬らしいスタイリングに。
足元も革靴だけに限定する必要はありません。
スニーカーを合わせれば、トラウザーの構築性とスポーティーな要素が混ざり、より日常的に穿くことができます。
服好きが選ぶ、素材とシルエット
服を選ぶとき、ブランド名やデザインだけではなく、**「どんな生地で、どんな形につくられているか」**を見るのも面白いものです。
duca VISCONTIのコーデュロイも、ただ「イタリアの生地だから良い」という話ではありません。
畝の表情。
起毛感。
ブラウンの色の深さ。
そして、それを受け止めるSIGNATURE.1の立体的なシルエット。
ひとつひとつの要素が重なって、一本のトラウザーになっています。
古い素材を、古く見せない。
それが今回のSIGNATURE.1 TROUSERSで考えたこと。
流行に合わせてシルエットを変えるのではなく、長く残ってきた素材や仕立ての考え方を、今のバランスで楽しむ。
apartirでは、そんな服の選び方も提案しています。
オーダートラウザーのお仕立て事例はこちら
https://apartir.store/pages/apartir-tailoring-archive-trousers
àpartir SIGNATURE.1 TROUSERS
duca VISCONTI CORDUROI
2インタック / 深めの股上 / ベルトループ / ワイドストレート
イタリア・duca VISCONTI di MODRONEのコーデュロイを使った、apartirオリジナルのトラウザー。
秋冬のジャケット、シャツ、ニットに合わせながら、素材とシルエットの変化を楽しんでいただける一本です。
名古屋・納屋橋のapartirにてお仕立ていただけます。
ふらっとご来店お待ちしております。