ローデンクロスで仕立てる、冬のオーダージャケット。

ローデンクロスで仕立てる、冬のオーダージャケット。

ORDER JACKET

ローデンクロスで仕立てる、冬のオーダージャケット。

ローデンクロスを使用したオーダージャケットの着用スタイル


冬のジャケットには、季節ならではの素材を選ぶ楽しさがあります。

今回ご紹介するのは、オーストリアの伝統的なウール素材、ローデンクロスで仕立てたオーダージャケット。

しっかりと目の詰まった生地でありながら、表面には独特の柔らかさがある。一般的なフランネルやツイードとはまた違う、落ち着いた存在感を持つ素材です。

素材の背景を知り、色や仕立てを選び、自分のスタイルに合わせて一着をつくる。今回はローデンクロスの特徴と、冬のジャケットとしての楽しみ方をご紹介します。

CONTENTS

  • ローデンクロスとは
  • フランネル・ツイードとの違い
  • ローデンクロスをジャケットに仕立てる
  • 今回の着こなし
  • オーダーで選ぶディテール
  • 長く着るためのお手入れ

ローデンクロスとは。アルプスの暮らしから生まれた伝統素材

ローデンクロスは、オーストリアのチロル地方をはじめとするアルプス周辺で、古くから親しまれてきたウール素材です。

もともとは農民や猟師たちの衣服に用いられてきたもの。山岳地帯の寒さや天候に対応するため、実用性を備えた生地として発展してきました。

特徴のひとつが、織り上げた生地を湯と圧力で縮ませる「縮絨(しゅくじゅう)」という工程です。

この工程によって織り目が詰まり、生地に厚みと密度が生まれます。さらに表面の毛羽を整え、毛並みを一定方向に寝かせることで、ローデンクロス特有のしっとりとした表情に仕上がります。

ローデンクロスの表面とウールの質感

目の詰まった生地は風を通しにくく、ウールが持つ保温性と相まって、寒い季節に頼もしい素材となります。また、表面の仕上げによって水を弾きやすい性質を持つものもあります。

ローデングリーンと呼ばれる深いグリーンがよく知られていますが、グレーやブラウンなどの色もあり、色によって印象は大きく変わります。

華やかな光沢で見せる素材ではなく、織りや仕上げによって生まれる陰影を楽しむ生地。落ち着いた装いの中に、素材そのものの存在感を加えてくれます。

フランネル、ツイード。冬のウール素材との違い

冬のジャケットに使われるウール素材には、フランネルやツイードなど、さまざまな種類があります。

どれも季節感のある素材ですが、表面の表情や生地の組織によって、着こなしの印象は変わります。

素材 生地の特徴 装いの印象
ローデンクロス 縮絨による密度と、寝かせた毛並み しっとり、落ち着き、重厚感
フランネル 表面を起毛させた柔らかな風合い 柔らかく、温かみのある印象
ツイード 太めの糸や複数の色糸による豊かな表情 素朴、英国的、カントリー

フランネルが柔らかな起毛感を楽しむ素材、ツイードが糸や織りによる表情を楽しむ素材だとすれば、ローデンクロスは縮絨と表面の仕上げによる、密度のある風合いが魅力です。

同じウールでも、素材が変わればジャケットの佇まいも変わる。冬の一着を考えるときには、シルエットだけでなく、生地の表情にも目を向けてみてください。

ローデンクロスを、ジャケットに仕立てる

コート地として知られるローデンクロスですが、ジャケットに仕立てることで、また違った魅力が見えてきます。

生地にしっかりとした密度があるため、仕立て上がりには落ち着いた存在感が生まれます。一方で、表面の毛並みには柔らかさがあり、テーラードジャケットの構築的な形とも自然に馴染みます。

きれいなスラックスに合わせれば品よくまとまり、デニムやチノトラウザーと合わせれば、ほどよく力の抜けたスタイルに。

ドレスとカジュアルのどちらかに寄せるのではなく、合わせるアイテムによって表情を変えられることも、この素材を選ぶ楽しさです。

今回の着こなし

今回はストライプシャツに、カーキのヴィンテージヘリンボーンのトラウザーを合わせました。足元には、ジョンロブのスエードシューズを。

ジャケットの落ち着いた質感に対して、シャツのストライプがほどよいアクセントになります。さらに、ヴィンテージのトラウザーを合わせることで、整いすぎない自然なバランスに仕上げました。

ローデンクロスのオーダージャケットのディテール

ジャケット、シャツ、トラウザー、シューズ。すべてを新品で揃える必要はありません。

長く着てきた服や、偶然出会ったヴィンテージのアイテムを交えながら、少しずつ自分のスタイルを整えていく。

そんな着こなしにも、ローデンクロスのような背景のある素材はよく馴染みます。

オーダージャケットで選ぶ、6つのディテール

オーダーでは、生地を選ぶだけでなく、ジャケットの印象を左右する細かな仕様も決めていきます。

同じ生地を使っても、ボタンやポケット、襟の形が変われば、仕上がりの雰囲気は大きく変わります。

  • フロントボタン:2つボタンはすっきりと現代的に。3つボタンの段返りは、クラシックな表情に仕上がります。
  • ラペル:ノッチドラペルは汎用性の高い定番。ピークドラペルは華やかさや存在感を加えます。幅によっても印象が変わります。
  • ポケット:フラップ付きの腰ポケットはテーラードらしい印象に。パッチポケットは軽快でカジュアルな雰囲気になります。
  • 裏地:総裏、背抜き、半裏など、着用する季節や好みに合わせて選びます。裏地の色柄も、オーダーならではの楽しみです。
  • ベント:センターベント、サイドベンツ、ノーベントから選択。後ろ姿の印象だけでなく、動きやすさにも関わる仕様です。
  • 肩まわり:肩パッドや芯地の設計によって、構築的にも柔らかくも仕立てられます。生地の厚みや目指すシルエットに合わせて調整します。

大切なのは、ひとつひとつの仕様を単独で選ぶことではなく、生地や着る人の体型、普段のスタイルとのバランスを考えること。

apartirでは、着用する場面や合わせたい服を伺いながら、全体のイメージを一緒に組み立てていきます。

長く着るためのお手入れ

ウール素材のジャケットは、日々の少しの手入れでコンディションを保ちやすくなります。

  • 着用後は洋服ブラシで表面のほこりを払い、毛並みに沿って整えます。
  • 雨などで濡れた場合は、乾いたタオルで水分を押さえ、風通しのよい場所で陰干しします。
  • 連日の着用は避け、着用後は休ませる時間をつくります。
  • 保管には、肩先に厚みのあるジャケット用ハンガーを使います。
  • シーズンの終わりには、状態に応じて専門店でのクリーニングを検討してください。

ローデンクロスは表面の毛並みも魅力のひとつ。強くこすらず、素材の風合いを大切に扱うことがポイントです。

自分のスタイルに合わせて仕立てる

生地を選び、シルエットを決め、ボタンや裏地を組み合わせる。

オーダーの魅力は、サイズを合わせることだけではありません。どんな服と合わせ、どんな場面で着たいのか。その人の暮らしや好みに合わせて、一着の方向性を考えられることにあります。

今回のようなローデンクロスも、選ぶ色や仕立て方によって印象は変わります。

冬の装いに、いつものジャケットとは少し違う素材感を取り入れてみる。そんな一着をお探しの方は、ぜひ店頭でご相談ください。

ORDER INFORMATION

生地:ローデンクロス(Leichtfried)

カラー:(Middle Gray)

仕様:(水牛ボタン・キュプラ・パッチフラップポケット)

名古屋・納屋橋のオーダー&セレクトショップ apartir。

店頭では、生地をご覧いただきながら、デザインやサイズについてご相談いただけます。初めてのオーダーもお気軽にお声がけください。

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