至高のロングコート _Scye
アルスターコートをルーツにもつコートは多い。
ポロコート、トレンチコート、タイロッケンコート、Pコートなど。
今回、サイより入荷したコートもアルスターコートをルーツにしている。
襟はアルスターカラーに、ボックスシルエットのゆったりとしたシルエット。
ハンドウォーマーポケットやダブル前がフロントにあつらえられており、
冬の寒さを暖かく過ごせる仕立てが入る。
袖口はターンナップカフでクラシックさも。
1900年代に登場した、ポロコートやPコートに見られるディテールも足され現代のアルスターコートと言える逸品だ。
サイの真骨頂とも言えるラグランスリーブからの立体的な袖のラインや、ボックスシルエットに対して背の縫製を下に向けて絞ったパターンにより緩やかなAラインを描きます。
長さがあり厚みのある生地と着心地が重さを感じそうだが、この肩にそうラインと立体的な作りで感じさせない。
素材は、高級感あるスーパー140`Sのウールメルトンを使用しており、一般的な圧縮メルトンとは一線を回す柔らかさとしなやかさがある。
キャメルやカシミアのような柔らかさがありながら、生地の重み、しっかりとした肉感を感じることができるのは、番手の高い糸を高密度に織り上げているためだろう。
見た目のクラシックさやパターンワークによるシルエットの良さは至高。
それを裏付ける縫製の綺麗さや裏地、襟周りのテイラーリングを駆使した技法は一生物と言える一着と言える。
長く着るなら、これくらい妥協のないコートをおすすめしたい。